ボードウォーク

木製の床板というものがあります。
身近なものといえばベランダに木製の床板を設置したものです。

直射日光の紫外線の影響を強く受けます。
人が上を歩くことによる摩耗を受けます。
降雨や湿気による吸水と、その後の直射日光による急速な乾燥によってひび割れやささくれが生じます。
これらに生物的な腐食作用が加わり、上記による傷を中心に風化を早めます。

設置者、設計者、管理者はこれらを阻止すべく対策を立てます。

対策の壁になって居るのはいつも経済的問題です。
何しろ、できる限り安価に仕上げなければならないからです。
安さへの指向性は止め処なく、まるで逆止の鞘がついているようで一方通行です。

公共の空間には大規模なボードウォークが設置されています。
多くは開発事業で使われ、東京はお台場、神奈川県ではみなとみらいなどで見られます。
これらは20年以上前に設置されたものです。

ボードウォークは歩くと気持ちのいいものです。
直射日光を浴びたアスファルトの上を歩くのは辛いものですが、ボードウォークの上を歩くことは心地の良いものです。

だからと言ってボードウォークに問題がないわけではありません。
前述のボードウォークは熱帯雨林の伐採と引き換えに得られたものです。
ブラジルのアマゾン由来の素材です。

伐採の目的は材料を捕ることを主たる目的としているとは限りません。
開拓して農地を広げるために行われてきた行為も含まれます。
この場合、副産の木材は森林破壊の資金源となります。
斯くして伐採された地域の熱帯雨林は壊滅しました。

2019年のアマゾン火災の大規模延焼は開発が原因です。

日本には木材がないわけではありません。
日本人が日本の木材を使わないのは価格が高い事が原因の一つになっています。
日本の経済レベルは高い位置にありますので日本で生産される産物は高くつきます。
当たり前のことです。

しかし、日本の森林は持続の可能性を秘めた資源です。
循環生産を行う仕組みが整っているし、使うことによって国内の経済が活性化して成長します。
一つの社会内部において、自分だけが外から安価に得たいという行為は、その社会が周りの社会よりも沈下する分、社会の衰退が自らに帰ってきます。

また、日本の森林素材は耐久年数が低いのが問題だという意見もあります。
これは適した箇所に適した素材を使っていないことがそういう認識を招いています。

室内で良い空間を作る樹種とそうでない樹種、
屋外で耐久性を発揮する樹種とそうでない樹種があります。

木材生産者、ハウスメーカー、大工、家具屋、行政や施主を顧みても、これらをきちんと選択して使っている人に出会ったことはありません。

素材の継時的な観察と研究、学びと経験値の積み重ねが必要です。

持続可能な都市を作るためには、多くの恵沢を得ている里山の森林を守る必要があります。

そのためには都市者の責任として経済の波及を森林に及ぼす必要があります。