現在、国内で使用される木材の大部分は海外産です。
このことは先頃の”ウッド・ショック”で語られた通りです。
1970年代 後半 国内では、H.C(ホーム・センター)の出現がありました。
それまで、木材は木材屋さんか、町の建材屋さんから調達するのが一般的でしたが、より簡単にH.Cから入手可能になったのです。
この時代の国産木材は流通ルートが決まっていて、新参者のH.Cが優位に販売できる環境ではありませんでした。
そのため、H.Cは海外産の木材をメインとして、その他 品質に満たない国産木材を取り扱いました。
海外産の木材は、東南アジア産のラワン材などがメインでした。品質に満たない木材にはヤナギ材などもありました。
このHC出現と同時期にD.I.Yのブームがありました。
(DIY:Do It Your Self !の頭文字です。)
家庭用の電動工具などが発売されたのもこの時期です。TVの番組でも日曜大工という番組も話題になっていました。
多くの人々がD.I.Yを始め、H.Cで木材を入手しました。
世界の開発と共に伐採林の供給が増え、日本でも木材も自由化されるとH.Cでは輸入SPFを取り扱う様になりました。
(SPF:spruce-トウヒ、Pine-マツ、Far-モミ)
1980年代 後半 日本では空前のログハウスブームがあります。
(ログハウス:針葉樹の大径丸太を皮むきのみ行い、これを積み重ねて小屋をつくる。北米の西部開発時に行われた仮屋を応用した家屋)
自然思考の人が増え、自然と共に暮らしたいという願望を叶えたいというものだったのではないでしょうか。
しかし、日本においてのログハウスは、北米産の針葉樹を輸入して造作することが基本となっていました。
最初は屋外で耐久性に優れたベイヒノキ、レッドウッドなどのグレードが高い樹種が主流でした。
まもなく日本の旺盛なログハウスブームは米国の環境破壊に繋がっているという認識から、現地の森林管理局は天然林の輸出規制を行います。
天然林の伐採禁止、輸出禁止の処置がとられます。
北米で商品価値の高くないSPFは規制の対象から外れたことから、日本ではSPFのログハウスが主と変わりました。
その他、製材された木材で組む製材ログハウスも増加します。
この時期、日本の主要木材は消費者の興味から完全に外れてしまっていました。
国産木材は大径木がない、屋外で腐りやすい、高価である、入手ルートがないなどの原因がありました。
住宅に使用する木材も次第にSPFへと変わっていったのです。