初対面の人とガーデニングのお話しをすると切り花のことを聞かれます。
私は切り花、つまり生け花やフラワーアレンジメントについてはまったくの知識がありません。
私の考えでは、切り花と植える花は花という素材を使っている以外はまったく別物としています。
切り花はその成り立ちから、手向ける(たむける)ことから発せられています。
この世から去る人にはなむけとして贈るのです。
神様や仏様に手向けるのも同様です。
花々は生を切り詰められ祀られます。
花のいのちを引き換えに、贄(にえ)ということです。
生け花やフラワーアレンジメントは人の時間からみれば一瞬の命です。
死にゆく花、
その一瞬の美が切り花です。
一方、ガーデニングの花々は生き続けられるように育てられます。
人と共に時間を過ごし、命あるものとして共感するのです。
多くの宿根草などは晩秋に休眠に入り、越冬して次の春に目覚めます。
昨年の花々に今年も逢えるよろこびもあるものです。
生き続けようとする花だということもできます。
どちらも花卉として捉えられますが、考え方も技法もまったく異なるものなのです。
それぞれの使い方は異なります。