企業の倫理的行動

ポプラ社会的責任

企業の目的は何か?
「利潤を追求する組織である。」
という答えはもはや正確ではありません。

例えば、企業が自社の消費材を求め購入する理由は、
「それが一番安いから」というのが最も多いのではないでしょうか。
この場合、その材がどのようにして商品になっているのかは考えていない。

「企業の社会的責任」が問われる時代です。
商品のトレーサビリティーを確かめることも必要です。
どのようにして供給されている材なのか。

大手コーヒーメーカーが、その優位性を利用して、苦境に立つ現地農家から豆を買い叩いて購入していたこと。
ブランドスポーツシューズメーカーが、労働者に対し不当な労働慣行を行い、大きな利益を得ていたこと。
これら二つのことは海外で社会的責任の一例として説明される内容で実際に起きていた出来事です。

日本では上記ような話を聞くと、当たり前のことだという意見も多く聞かれます。
ということは、日本社会にはそんな問題が蔓延っているということになります。

社会的責任を果たすためには、倫理を学ぶ必要もあるのでしょう。

コロナのせい?

地球ビオトープと都市マネジメント

最近はようやくコロナも、一時期よりも下火になった気がします。
社会は安定を取り戻しそうな雰囲気がありますが、以前とは少し異なります。
例えば、首都圏一極集中だった企業活動が地方へ移還されつつあるということも目が離せない現象です。

地方へ移行される企業活動はICTの発展により言われていましたが、なかなか一般には普及できずにいました。
それがコロナ回避の行動として、少しずつ動けなかった首都圏の呪縛から解き放たれる時期が来たのでしょう。

私は首都圏の人口が地方へ分散されることは、都市にとっても良いことだと考えていますし、流入先の地方にとっても良いことだと考えています。

様々なことがコロナのせいだと言われますが、それ以前に人間の生活や社会のあり方に問題もあることも知らされました。
社会と環境が良い方向に向かうことを願います。

モノの使える年数

アリウム 咲いてく

人は生活の中で、余暇の中で、仕事の中で道具などのモノを選ぶときに何を基準にしているのでしょうか?
「値段が安いこと」
「長く使える」
にあると思います。
この2つが両立できていれば「コスパ」とか言われてよく売れるようです。

この逆のモノはといえば、理由を問われる前にそっぽを向かれてしまいます。
ひどい場合には攻撃的も受けます。

モノやサービスを作る場合、その目的に合わせた理想を狙って製品化します。
上記の2つの理由が全ての製品づくりに当てはまる訳ではありません。

例えば、「環境に優れたものを作る」という理想があってモノ作りをする場合、
「価格が安い」という要素から外れるのが普通です。
「価格を安く作る」目的を持ったものは環境のことを考慮に入れているとは限らず、安く作ることが一義であるからです。
そして「安く作る」ことと「環境に優れたものを作る」ということは多くの場合相反しています。

最近はエネルギーの問題が話題になります。
日本では安いということだけで、温暖化の問題となっている二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電が普及しています。
日本は「環境先進国」で、エネルギーの効率が良いということはよく言われます。
日本では石油ショックを経験して、高騰する石油を如何に切り詰めて使うかということが徹底された結果、諸外国よりも省エネが進んだ理由だと言われています。
このことだけを見ると良い結果を生んだと言えますが、安くあげるという目的が諸外国よりも強いのだということなのです。

2020年、ここにきてやっと石炭火力の依存度を下げる方針が政府から出ました。
太陽光発電、風力発電の単価が下がり、石炭火力よりも安くできそうだということがその理由です。
環境のことや温暖化阻止を考慮して決定したことではない、ということがなんとも歯がゆい気がします。

1970年代、エコノミックアニマルと言われた日本人、現在もその性質が継続しているのかもしれません。