モノの使える年数

アリウム 咲いてく

人は生活の中で、余暇の中で、仕事の中で道具などのモノを選ぶときに何を基準にしているのでしょうか?
「値段が安いこと」
「長く使える」
にあると思います。
この2つが両立できていれば「コスパ」とか言われてよく売れるようです。

この逆のモノはといえば、理由を問われる前にそっぽを向かれてしまいます。
ひどい場合には攻撃的も受けます。

モノやサービスを作る場合、その目的に合わせた理想を狙って製品化します。
上記の2つの理由が全ての製品づくりに当てはまる訳ではありません。

例えば、「環境に優れたものを作る」という理想があってモノ作りをする場合、
「価格が安い」という要素から外れるのが普通です。
「価格を安く作る」目的を持ったものは環境のことを考慮に入れているとは限らず、安く作ることが一義であるからです。
そして「安く作る」ことと「環境に優れたものを作る」ということは多くの場合相反しています。

最近はエネルギーの問題が話題になります。
日本では安いということだけで、温暖化の問題となっている二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電が普及しています。
日本は「環境先進国」で、エネルギーの効率が良いということはよく言われます。
日本では石油ショックを経験して、高騰する石油を如何に切り詰めて使うかということが徹底された結果、諸外国よりも省エネが進んだ理由だと言われています。
このことだけを見ると良い結果を生んだと言えますが、安くあげるという目的が諸外国よりも強いのだということなのです。

2020年、ここにきてやっと石炭火力の依存度を下げる方針が政府から出ました。
太陽光発電、風力発電の単価が下がり、石炭火力よりも安くできそうだということがその理由です。
環境のことや温暖化阻止を考慮して決定したことではない、ということがなんとも歯がゆい気がします。

1970年代、エコノミックアニマルと言われた日本人、現在もその性質が継続しているのかもしれません。

木質に変わるもの

プランター植栽見本

「木質にとって代わる素材が求められている」という人がいる。

私も過去はそのように考えていたひとりだ。

木質は限りなく生産されている。
それは私たちが呼吸をしているのと同じく樹木も生きて代謝をしているということである。
その副産物が木質で、それは生命の遺体そのものなのだ。
それらの塊が一般にバイオマスと言われる生命副産物として地表を覆う堆肥であり、腐食連鎖により更なる生命を育み、そして動植物の食物連鎖の礎になるのです。
その動物の排泄物や遺体は再び植物の養分として植物体に吸収され、植物代謝により酸素を合成し、環境を整えて繰り返して木質を育む。

この流れがあって木質の代わりに何が必要なのだろうか?

木質は腐るからいけないという人がいる。
すべてのものは風化する。
要はどれくらいの程度で長く使えるかということである。
どのくらい使い続けられることが求められるのかとその人に聞いてみる。

「ずっと」という応えが返ってくる。

私たちは、直感でずっとと答えてしまうことがある。
しかし、永遠などあり得ない。
私たちはいつかこの世を去る。
それを避けることはできない。
それが嫌だと言っても始まらない。

理性のある人の答えは考えた末、
「10年」と答える。
ほとんどの人が「10年」という。
ほとんどの所有物に「10年」との願望を持つ。

自らの人生とその区分の時間を考えた末、感覚と経験とそして未来を鑑みてその時間を割り出している。

それで、10年以上この地上にも残るものは不要であり、ゴミとなって末の世を汚す。

建物などの耐久物は10年とはいわない。
30年、50年それ以上もある。
しかし、忘れてならないのは永遠には残ってはならないのだ。

最近、プラスチックの廃棄物が地球を汚す原因となっている。
それでもプラスチック製品は増え続ける。
その廃棄物は再生されずに最終処分場に送られて埋め立てられるのだ。
製造業者は言う「プラスチックは再生して使われるからエコだ!!」
結局は学びを行なっていないのだ。

いま、社会を動かしている人間は「逃げ切り世代」と言われる。
この先の未来は環境破壊が進み人々が住みにくくなるが、自分たちはこの世から去っている。
「次の世は君たち若い世代が頑張ってくれ」といいながら世の中の資源を浪費し、自然を壊し、エネルギーを使い、その対価を抱えきれないほどの財産としてこの世を去る。

「シニア」という言葉がある。
日本ではもっぱら「じいさん、ばあさん」の意味が強い。
多くの場合、企業が庶民に対して使う「シニア」はある意味愚弄にしている。

本来のシニアは経験を積み、物事を熟知した上で判断し行動する人をいうのだ。
当然若いシニアもいておかしくない。
私たちは卑怯な逃げ切り世代に成り果てず、後の地球を守るポリシーを持って、行動できるシニアになりたい。

新たな木製ベンチが出来ました

屋外用ガーデンウッドベンチ、木製

木製ベンチの新規格品をリリースします。

木目の美しいカラマツ材をフェイスにした木製ベンチです。

カラマツといえば、その柔らかさからソフトウッドとも言われる針葉樹の中にあって、それに反し強靭な剛性と硬さを兼ね備えた、正に針葉樹の異端児的存在です。

一方、木目の美しさから「森の貴婦人」と称される側面も持ち合わせている樹種でもあります。

こんなカラマツの印象を引き出したのがこのベンチです。

【カラマツ材をメインに使ったガーデンベンチ】

日本の林業によって生産された地域材を用いて、ガーデン用の木製ベンチをデザインしました。
木材でつくられる屋外用ベンチは、経年変化で木部が痩せたり、狂いが出てくると修理されることなく結局廃棄せざるを得なくなります。
このベンチは、腐食に強い木材を支柱とし、物理的強度の強い木材を梁材として使ったベンチです。

今や木材の選出は、持続可能な国産の樹種が条件です。
即ち支柱部にはヒノキアスナロ材、桁材にはカラマツ材を使用しています。
カラマツ材はしなやかで明瞭な美しい木目を持ち、製品のフェイスとなります。

デザインは、平らな座板を基準とし、シンプルな背板を配置。
主要な構造部分の木部材の結合は、経年変化や狂いなどに対応できる鼻栓構造を採用しています。
耐久性のある素材を用いたベンチです。仕口も経年変化に対応できるものです。
木質と共に時を重ねながらガーデンを楽しむことができる屋外用ベンチです。