北海道は冬季間は土木作業ができません。
多くの土木屋さんは冬季の生業として除雪を行っています。
除雪作業の殆どは交通の必要性から道路ということになります。
道路は公共的な部分が大半で、管轄の行政が市民の代行をして執行します。
その予算は市民から集めたお金です。
除雪には主に二つの方法があります。
ひとつは、雪が降った時に積もった分を道路の端に押し避けて車が通れるスペースを確保する”かき寄せ”があります。雪が降り積もった都度行います。
もうひとつは、かき寄せの繰り返しで貯まった雪をトラックに積んで雪捨て場に捨てる”排雪”があります。シーズンで2回ほどです。
除雪を行うのは市の場合、住民権を持つ市内の業者と決まっています。
毎年一定量の排雪があることを想定して行政では公共予算を組んでいます。
だいぶ以前、「雪が少ないシーズンにはお金がもったいないから予算を使うな!」という苦情が市民から上がり、マスコミを巻き込んで問題になったことがあります。
これを受けて、行政は必要以上の除雪は行わず、予算が余った場合に一定額は次年度に繰越すというポリシーを打ち出しました。
しかし、このような市民の反応は経済に対する誤解です。
市民から集めたお金は市民に返さなければなりません。
返すということは予算を消化し、お金を市民に循環させるということです。
市民から集めたお金をいつまでも行政が握っていては市場に出回るお金が少なくなり経済は縮小します。
先日、札幌の自立支援施設が火事になり11人の命が断たれました。
犠牲者は皆高齢者です。
さて、現在の世はできるだけお金を節約することが良いことだと多くの人が考えています。
労働者を雇う企業も賃金を極力抑えようとします。
その結果、経済の巡りが小さくなる人たちが生まれます。
国内において企業のサービスや商品の最終的な顧客は一般市民です。
一般市民の経済が縮小すると企業会計も縮小します。
国全体の経済は縮小し続け収束に向かいます。
日本では高齢者社会が更に進行するのですが、このままでいくと経済に取り残された市民がますます増えます。
企業がコストを低くすることばかりに没頭し、人よりも価値の低いものを作る競争ではいけません。
個性を重視し、全ての人が異なるポリシーを持つ価値創出が求められます。
私は、上勝町の様な高齢者でも経済に取り残されない仕事の仕組みをGardeningで作りたいと考えます。